はじめに


南園義一・節子

アメリカ・ミシガン州のモンロー市は、デトロイトの近郊にあり、五大湖の一つであるエリー湖の西岸に位置する街である。デトロイトはよく知られた自動車工業の街で、アメリカ有数の大都市であるが、その近郊には自動車工業を支える多くの工場が分散している。

 

日本からも「フォード」と提携している「マツダUSA」・AAIなどの会社が操業している。フラットロックには、その大きな工場があり、近くのモンロー市には1986年(昭和61年)に進出したマツダ関連の「デルタUSA」・DUCの工場があった。

 

従来、これらの企業の人たちが行き来していた関係で、防府市とモンロー市の市民同士の交流が盛んになり、行政側にも交流提携の機運が生まれた。

 

具体的には、1988年(昭和63年)11月サミエル・ミグナノ モンロー市長が防府市を訪れ、デルタ工業を訪問。1989年(平成元年)11月、モンロー群産業開発公社のウィリアム・ミヤーズ氏がミグナノモンロー市長の親書を携えて来訪し、防府市との姉妹都市提携を望んだ。

 

1990年(平成2年)5月ミス・ミシガン嬢が広島の「美の親善大使」として広島に来て、防府市を訪問。同年6月、モンロー商工会議所会員のジェフリー・べノア兄弟がミグナノモンロー市長の親書を吉井惇一防府市長に託した。

 

防府市からは、1990年(平成2年)8月、防府市会議員の深田慎治氏、防府市役所の桑原一郎氏、防府商工会議所の平田尚之氏3人の訪問団が、モンロー市を訪問し、オールド・フレンチタウン・デイにも参加してモンロー市民の歓迎を受けた。

 

また、同年11月、モンロー市からもモンロー商工会議所のダヴィド・バグナル会頭とモンロー・コミュニティーカレッジのジェラルド・ウェルチ学長が防府市を訪れ、裸棒祭やお笑い講にも参加して、市民同士の交流を深めた。

 

防府ロータリークラブとしては、1988年(昭和63年)7月クラブ30周年記念として、浅井稔国際奉仕委員長が防府市の高校生2人を連れて、フラット・ロータリークラブとリンカーンパーク・ロータリークラブを訪問して、親善交流を行った。

 

このような両市民間の交流をもとにして、1991年(平成3年)7月、クラブ35周年記念として、防府ロータリ―クラブのメンバーがモンロー市を訪問したことが契機となり、次第に市民交流の機が熟して、1993年(平成5年)5月防府・モンロー両市の姉妹都市交流提携にまで発展した。以後、約20年間、高校生語学研修事業を中心にした、防府・モンロー両市の姉妹交流は、脈々と続いている

 

私たちは、防府・モンロー国際交流市民の会及び、防府市国際交流団体連絡協議会を通して、両市の親善交流にかかわってきたが、その間、たくさんの出来事があり、いろいろな人々との出会いがあった。この本は、公式の記録ではないが、私たち二人の「モンロー交流の思い出」をしたためたものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LA-Z-BOY社属カメラマン V.W.LORITZさんによる撮影